全国氷雪販売業生活衛生同業組合連合会

いまさら聞けない純氷のヒミツ – 2

純氷News
全国の氷業界の皆様に向けて、『純氷ニュース』に掲載して好評だった記事・特集・コラムなどを再収録しました。
第一弾は、今関靖将さんの好評連載コラムいまさら聞けない純氷のヒミツです。
今後、こんな記事を採録してほしいなどのご要望は、
東京氷組合(03-3251-4865)までお願いいたします。
ブライン温度で氷の結晶に変化
通常製氷工場で採用されてている氷缶サイズでエアレーションをし、室温プラス15℃、水温プラス20℃でブライン温度はマイナス5℃からマイナス18℃までの段階で製氷を試しました。
(1) マイナス5℃で場合83時間
(2) マイナス9℃の場合47時間
(3) マイナス18℃の場合25時間でした。 そこでこれらの温度で出来た氷にはそれぞれに変化がみられました。 (1)は結晶(臨界結晶)が非常に大きく氷の艶も高く氷を砕いてみるとその表面はとてもなめらかで氷質は良く云うまでもありません。しかし製氷時間が長く生産性が悪い。 (2)は多くのヒビがが入り氷質は透明ではあるが艶が無く無機質感のある氷です。 そこで(1)と(3)の方法からブラインの適温を探ってみると(2)のマイナス9℃前後での製氷温度帯が非常によいと云う結果がみられました(夏冬の製氷室温によって異なります)。 このような視点からみても36貫(135kg)の製氷方法は正に理想的な製氷効率から生まれ長く今日まで続けられているものと思われます。
純氷の48時間とマイナス10℃のなぜ
氷を比較する時、よくマイナス10℃で48時間かけて作った氷だから硬くよい氷であると云われます。その48時間とマイナス10℃というのはどう云う理由からでしょうか。製氷する温度と時間の関係から氷質を見ると、原料水温、水量、室内環境温度の一定の条件下の製氷ではブライン温度マイナス9℃では46.3時間マイナス12℃では34.6時間です。
ではマイナス5℃にしたどうでしょうか、なんと約160時間もかかります。
確かに氷質は良くなり透明度も増したように見ることが出来ます。しかしこれでは生産性及び製造コストの問題で良くありません。
次に結氷速度を早くするため極端に低い凍結温度つまりマイナス25℃より低い温度(特殊ブライン使用)での製氷においては結氷面は非常に不安定となりちょっとした温度変化で氷にヒビが入ったり割れたりします。エアレーションしているにもかかわらず氷は透明ですが白っぽくヒビだらけで良い氷質は得られません。これは水中の空気や不純物が微小な泡を形成し着氷面から離れることが出来なくなり氷の結晶に挟まれてしまうからです。氷質を満足出来るまでに凍結温度を移行させ、生産性を上げ、作業のローテーションつまり水換えや脱氷その他の業務を入れると約48時間(2日間)での製氷時間が理想に近いという結果が見えて来ました。なお製氷メーカーによっては製氷時間を72時間更には96時間として高いクオリティを求めた製氷方法を採用している工場もあります。製氷方式を変え直膨式製氷においては完全無気泡製氷に120時間をかける場合もあります。
経験値から誕生~温度と氷缶サイズ
同様な方法で氷缶の厚さ、形を変え早い時間での良い氷質を求めた製氷方法も可能です。
そのためには作業効率、設備コストの問題を解決しなければなりません。
現在でも多くの製氷工場が氷缶サイズに日本工業規格「1種」が使われているのには、それなりの理由かと思います。
これまでの製氷メーカーの長い歴史の中の努力により、これらの製氷時間、製氷温度、氷質、作業効率等全てを結集したものが、135kg角氷という形にあるものと思います。   (今関靖将)